塩谷智紗子

あいのみ文庫は1982年、文教大学内に開設された。大学の中にある信頼感から他に比べ利用者は多い。しかし10年ぐらい前から、子どもたちの状況に変化が生じた。子どもたちが時間に追われ、文庫に来る事が難しくなったのだ。反面、今まで関わることが難しかった保育所や学校に、読み聞かせボランティアが入るようになってきた。ボランティアが、実際に保育所や学校で読み聞かせを始めてみると、人と本と子どもが好きなだけでは足りないことに気づく。なにが足りないのか?なにをどうすればいいのか?そんな疑問に答えるために、「子どもに本を手渡す人」に向けた講座が開かれることになった。 1 子どもをもつ親 (幼児をもつ親のための講座~わくわく絵本教室) 赤ちゃんとお母さんを見ていると、お母さんの接し方に、距離感がある。絵本に出会う前にもっと親子のスキンシップが大切なのではないかと思う。若いお母さんが文庫に絵本だけでなく、子育てのヒントを求めている。子育て支援の一つでもある。 2 ボランティア (図書ボランティアのための講座~本物の読み手を育てるために) 子どもたちに本を手渡す意味を共に学ぶ。選書は大切である。子どもたちが出会う本が、生涯の一冊になるかもしれない。 3 学校・図書館・ボランティアをつなぐ (図書ボランティア交流会) それぞれの立場から発言できる場になっている。 4 おはなしファラダ (大人のための勉強会) ストーリーテリングの勉強会だが、絵本の読み聞かせでも可。おはなしや絵本ときちんと向き合うことはもちろんだが、まず大人たちが楽しいと感じることが大切だ。